「……やっぱりいる」


只今裏庭で建物の陰からベンチの様子を窺っています



そこに座っている男の子が一人


「にゃ~んでいるのかにゃ~…」


ムカツク…ムカツク!!

私だけの寝場所!!


怒りで言葉もおかしくなる



「か~え~せ~!!」



私は勢いでベンチまで走り指を突き立てる


「そこ!私の場所!!」



男の子の視線が上がる


目が合うと男の子はふっと微笑み私はドキッとした


「…来てくれたんだ」



「あっ…当たり前だし!!私はここでいつも寝てるの!」



今はここでしかよく眠れない


「……へぇ」


「ど…退いてよ」