「雷兎は…栗原さんが好きだよ」


「で…でも恋愛感情じゃ…」


「ないね」


栗原さんの言葉に間髪を入れず言い切ると栗原さんの顔が曇る


「…と雷兎は思っている」


「…………」


「でも俺はそうは思わない」



「…どうして?」


「雷兎と出逢ってまだ日は浅いけど…親友として直感だよ」


栗原さんの顔は曇ったまま動かない


信じられねーのかな…



「とにもかくにも大事なことは雷兎が栗原さんを好きかどうかじゃない。栗原さんが雷兎を信じてあげることだよ」



「…信じる?」


ようやく栗原さんの顔が上がった


「そう。栗原さんは雷兎に気持ちを伝えたの?」


栗原さんは難しい顔をして考えた後、首を横に振る


「栗原さんが一人で考えて一人で決めても何も変わらないんだよ。雷兎を想う気持ちがあるんだったら伝えて自分から変わらないと」


「変わる…」



「雷兎を信じてあげて。相手と信じあうことが恋なんだよ」



栗原さんに'ほら、立って'と促す


「雷兎のところに行ってきな」


俺がそう言うと栗原さんは真っ直ぐ俺の目を見て


「相良くん、ありがとう」


と微笑んで走っていった




雷兎、この笑顔を壊すんじゃねーぞ…