着いたのは屋上


本来は入ってはいけないのだがドアに特別鍵が掛かっている訳でもなく


普通に生徒が行き来している



先生も怒る訳でもなく屋上にはベンチまで設備されている


なんとも緩い高校なんだ



屋上に入り俺と栗原さんはベンチに腰掛けた



あれから栗原さんは一言も発していない


しばし沈黙が訪れる



「授業サボっても…大丈夫?」


ようやく口にした言葉は当たり障りないことで


俺っておせっかいだな…と実感してしまった



俺の言葉に栗原さんは小さく頷いた



「えっと…何があったのか聞いてもいい?」



「…………」



栗原さんは黙ったまま動かない


「ゆっくりでいいから…泣いてるのは雷兎のことだろ?」



「え……?」


栗原さんは小さく声を漏らし何で分かるの?と言わんばかりの目で見つめてくる