「ええ!なにそれ!誰!?」


何気、嬉しそうな声だった。


「サトル。」


「え、川島?好きなの?」


「好きっていうか。もうお前のこと忘れるし。なんていうか。こう…」



言葉が続かない。



「好きじゃねぇのに付き合うなよ。汚い」


「は。関係ないやん。」


「あるよ。俺、ルリコ大好きだもん」    



また。
もう、やめてよ。嫌いになれなくなる。

こんなに嫌いになりたいのに。



「ねえ、ルリコ。」


「大好き」


「なんでこんなに好きなんだろ。わかんないけど、大好き。」



何回も何回も。
大好き。って言われても。

私の中には、サトル。サトルだけ。
そう言い聞かせる。


もう何回も引っかかりたくない。
サトルを好きになって、忘れよう。


こんなんでもいいのかな。
わかんないけど、サトル…好き!


流されてばっかりはあかん。
ケンタだって絶対いい人がいるもん。


私は私なりに、充分幸せもらったし。
次にいって、また幸せになろう。


サトル

サトル…。