モヤシ団子をちらつかせ、俺は思いっきりボールを投げた。


「よし!坂田!あれ取って来い!」


坂田は、やる気なさそうにゆっくりと歩いてボールの方へと向かって行った。


ヨタ~~ ヨタ~~


「こらぁ!やる気あんのかぁ!走れ!」


「体力の無い犬ですね……あんなので大丈夫なんですかね?」


モヤシ男さん……その言葉、そっくりアナタに返しますよ……



ドタ……


「あ……途中で諦めた……」


坂田は、こっちに戻ってこないので、仕方なく俺達の方が坂田のもとへと走った。


「坂田!立て!“チンチンだ!」


「アホン?」


坂田は暫く考えていたが、やがて後ろ足を片方上げて、勢いよく放尿を始めた。


「そのチンチンじゃね~よっ!」


とても俺達だけじゃ、このアホ犬の調教は無理だ……