翌日から俺は『坂田』を散歩に連れて行き、公園で芸を仕込む事にした。
モヤシ男さんも、俺に付き合ってついて来てくれた。
「あの……骨折してたんじゃないんですか?」
「モヤシ茶飲んだら治りました♪……モヒカン男さん、大変ですねぇ…犬嫌いなのに。」
「他人事みたいに言わないで下さいよ!モヤシ男さんの代理でやってるんですから!
治ったのなら、代わって下さい!」
「わかりました。それでは……」
モヤシ男さんは、坂田の前にしゃがみ込んで、手の平を差し出して命令を下した。
「お手!」
「アホーン」
「わあぁーっ!それは“お手”じゃ無いだろっ!抱きついてどうすんだあ!」
グキッ!
「今、変な音がしませんでした?」
「アバラが折れました。」
「もういいです……俺がやります……」
.