現在、二人は学校の前で佇んでいる。

二人は校門の前で奇妙な光景が目に入った。

その光景は普通ならありえない事だった。

何時もみたいに校門の前で体育の教師が銅像みたいに僅かにも動かずに仁王立ちしていたのだ

その体育教師の横にいる女子生徒も全く動かないでいる。


「…真、これって夢じゃないよね?!」


菜紀は自分の頬を抓って、夢じゃないか確かめた。


「ああ、多分…夢じゃないと思う」


「みんな、銅像になっちゃったのかなぁ」


「…それは違う」


真は真剣な口調で話す。


「『時間』が止まったんだよ。俺達と雨以外の全ての…」


二人は黙って静かに雨の音を聴いた。