真は急遽思考停止した。

このまま思い出に浸ってたら、学校に遅刻するからだ。

菜紀はじっと、真を見つめている。


「菜紀、此処にずっと居たら遅刻する。そろそろ学校に行かないか?」


「えっ!?あ、…うん」


急に話し出され菜紀は戸惑いながら返事をした。

面々の楊貴妃なのか、そんな彼女を『可愛い』と思いながら片瀬 真は歩きだした。


学校まであと少しで着く。

真は『このまま時間が止まれば良いのに』と願った。



―そして、まだ彼はこの願いのせいで大変な事になるとは思ってもいなかった。