翌朝、
学校に着くと由美子が早速、
私のところへやってきた。
「昨日はごめんねー?」
「昨日?」
「ほら、
鍵、頼んだじゃん?」
ああ、そういえば。
私って結構楽天的な性格なのか、
記憶力が鈍いのか、
そうやってひとに指摘されて思い出すことがよくある。
「そんな申し訳ないような顔しなくても。
たいしたことやってないし」
私は机にカバンを置いて両手を振って笑う。
そんな私を見て由美子はほっとした表情になる。
「ホント、ごめんね?」
「だからー、もういいって」
「あ、そうだ」
思い出したようにそう言って、
由美子はポケットから小さな何かを取り出し、
私の手のひらにのせる。