「こんな不完全な、
ひととは呼べないひとでまたこの世に戻ってきたって…」


だから…、
違うって。

違うんだって…!



「あ…、」


言いたい言葉が喉から声になってちゃんと出てこない。



「…っ!
彼は…!
中村くんは…!」


それでも私はやっとの思いで、
立ち上がり、
真っ赤になって声を荒げる。


彼女は言葉を止めて私を見上げる。



「ちゃんと、ひと、です!
だからっ…!
こんなことでどうにかなるとか有り得ませんっ!
……明日も学校で会うんだからっ!」



私の大きな声が施設の中に響き渡る。