「そんな教科書見せるとか
見せないとかで寂しく思うってありえないよっ」


「……うん」


そう返事する彼にちょっとホッとする。


どうか私の気持ち、
バレませんように!


彼にはなぜかわかってしまうから
どうかバレないように、

と祈る。



「ヒロコ?」


「えっ!はいっ!」


「ごめん」



ん?

どうして私に謝るの?

謝られるようなこと、
なにかしたっけ?


「なんで…」


そこまで言いかけた時、
先生が教室に来て話は中断になった。