「それから、
好きになるとそのひとに触れ……」


そこまで言い掛けたとき。


「じゃあ、こういうのは……
どうなんだ?…」


中村くんがそう言ったかと思うと
彼は私をそっと抱き寄せる。

えええええ!


なに?
どうなってるの!


……混乱する中、

でも。

彼の温かくて、
優しくて、
やわらかい香り。


………。

このまま眠ってしまいそうなくらい、
心地よくてうっとりする。



「ヒロコの…鼓動がわかる…」


耳元で囁く中村くんの声にハッとする。