「よく…わからないな…」


そう言って髪をかきあげる。

ふわり、
と髪が揺れる。


「俺が認識してたものと少し違うような…、
そういう感情っていうのは…」


まあ、確かに彼の言うように好きなんて感情の意味はわかるようでわからない。


「…難しいと思うよ。
えっとね、
私が思う、好きって言うのは…
言葉では説明しにくいんだけど…」


彼は真剣に私の話を聞いている。


そのせいか微妙に縮まるふたりの距離。


もしかして…、
これ、試されてるわけ?
私が恋愛初心者だから?


ヤバイデス、
中村くんの体温が伝わりそうです!

もっとヤバイデス、
私のドキドキが伝わりそうです!


やだ。
ホントちょっと待ってよ。

こんな
近づかれたら死んじゃいそうだよ。