しばらく向かい合ったまま。 中村くんは私をじっと見る。 ちょ、 そんなあとで、 そんな見つめられたら。 勘違いしてしまうでしょっ! 「あの、 中村くん、 ……行こっか?」 「ああ…」 ゆっくりと並んで歩き始める。 秋の夜は、 ひんやりと感じるはずなのに。 私ひとりが火照ってる。 「あのさ…」 「は…はいっ!!」 中村くんの声に飛び上がりそうにびっくりする。 口から心臓が飛び出るってのがわかるくらい。