だから誰も畠中怜を助けようとしない。
所詮、女友達なんてそんなもんよ。
自分を守るためなら平気で人を裏切る。
笑えるよ。

「せ、先生に言うよ!」
突然、畠中がそんなことを言って来た。

胡桃「何を言うの?」
杏南「主語ないとわかんないんだけど」
美優「ブスで頭も悪いって最悪ね」

「私をいじめてるってこと!」

生意気ね。
ブスのくせに。

胡桃「勝手に言えばぁ〜?先生はね、そういうの、知らないふりするのよ?」

「じゃぁ、親に言う!」

杏南「言えば?胡桃の家、金持ちだから金で解決すると思うけど?」

「お金で解決できるものじゃないでしょ!」

美優「どうだろうね?あんたの家、貧乏らしいじゃん?生活が支えられるじゃん」

なんか、劇みたい。
私は、自分で自覚できるほどの容姿を持っているんだ。
長いまつげに二重の大きな目。
薄くてピンク色の唇に白い肌。
だから、今まで親にチクられても
その父親に色気をだして違うと否定した。
そしたら、大丈夫だったの。
金持ちなのも、ホント。
家が有名会社経営してるから。

社長令嬢がこんなんだとショック受けるだろうに。

ま、兄がいるから継がないだけましか。

私は畠中のようにチクるとか言われてもなんとも思わない。
それが、私達が怖い理由の一つでもある。