ゴクリと息を飲むほど。
この世の物とは思えない。
あまりの美しさに、まばたきすら忘れてしまう。
まつ毛は長く、鋭い視線。
真っ赤な唇にスッと通った鼻立ち。
見たこともないようなイケメン。
極寒の世界で震えていたカラダは、ひと肌で温かくて。
その温もりが気持ちいいと思ってしまう。
だから…見とれてしまうのは人の性だと思う。
何が起こっているとかもすっかり忘れて。
月明りのみに照らし出られた、青白く輝くような。
目の前のキレイな顔立ちに見とれていた。
「オナゴからから夜這いとは…それも楽しいものだ。」
低く耳に響く声。
うっとりしていたのは一瞬。
その声と同時に、太ももの辺りに感じる手の感触。
よ…夜這い!?
男の発した言葉に、今になって耳を疑った。
「ちょ…ちょっと待ってください!!」
強く男の肩をつかむけど、ピクリとも動かない。