外したピアスを掌で広げるように見せる。
「これで、文句ねーよな。」
「………………」
和泉はしばらく俺の手を見つめ、諦めたように肩を落とした。
「アンタ、思ってたよりしつこいね。」
しつこい、だなんて他に言われたことない。
それもそうか。
こんなに他人に執着したことがない。
「とにかくこれでダチな。」
「…(仮)だけど。で、どうすんの?」
「え?」
「友達になったよ。どうすんの?」
そんな事を言われてもな……。
「あー…遊びにでも行こうか?放課後にでも」
行く訳ない、という返答がくるかと思っていたのに、返事は誘いを了承するものだった。
なんだ。
拍子抜けだな。