翌日、


「なに、お前。その髪どうした?」


と腹を抱えて笑う大地に迎えられての登校。


「うるせーよ。」
「髪黒くするなんて、いつ以来だ?」


和泉に言われたとおり黒くしてきた髪。

誰よりも自分が違和感を感じている。


「知るか。」
「いや、でもその方が似合ってるかもな。」


笑いながら言われても、馬鹿にされてるとしか思えない。



「バカにしてんだろ?」
「んなことねーって。あ、ほら和泉来た。」



大地が指さす廊下の先、ぼーっと歩く和泉の姿があった。


「よーし、ちょっと挨拶してくるわ。友達だからな」
「友達ってか、喧嘩しに行くみたいだよ。」


大地は肩を竦めた。


俺はなぜかドキドキしながら、和泉に近付く。


な、なんで緊張してるんだ、俺は…!



「よぉ、和泉」
「…………ぇ」


きょとんと俺を見上げ、そのまま数秒なんとも間抜けな顔をしていた。