あれは一週間ほど前―――。


ギラギラと輝く太陽が照りつけるグラウンド。夏に匹敵するぐらいの暑さを誇っていた。


体育の時間になってからの男子の文句が聞こえてくる。

「あづー、なんでまだ五月なのにこんなに暑いんだ?」


焼けるのが嫌な俺は日陰で休んでいた。

「これで女がいないもんなー、地獄だよ」

一緒に休んでいた日向 怜(ひなた れい)が言った。


確かに男だけってのはキツイ。恋なんて夢のまた夢だ。


親の頑固な志願により、男子校に入れられてしまった。理由はこの顔のせいだろうか。


「悠ちゃ~ん、サッカーしようよ」

「“ちゃん”をつけるな」


俺は他クラスの男子から“ちゃん”づけで呼ばれるようになった。毎回否定しても繰り返される。


正直イラつく。俺だってちゃんと男だ。


いい加減にしろよ、と言いかけた瞬間。


ある考えが浮かんだ。