カーブで加速したときに、やっとナルに追いついた。


よ~し!



あたしだって!!


後ろから思いっきり追突してやった。


――ガンッ!!


自分にもかなり衝撃がくるけど、そんなことに構ってられない。



ナルが油断した隙に、スピードを上げて追い抜いた。










「やり返すなよ、お前っそれでも女か!?」



後ろからナルが叫んでいる。



チラッと振りかえり、イーッとした顔を見せた。



「やられたらやり返すも~ん!」



イラッとしてそうなナルの顔を見て、あたしはゴールを目指す。



あとは直線距離で、10mほど。



やり返す女なんて、きっと嫌なはず。



ナルはいつだって、人を支配下に置きたいんだもん。



支配できないあたしみたいな女は、きっと恋愛対象から外れるに決まってる。