「予備軍だろ?観覧車でキスのハプニング!とかな。そういうのを期待してる」



「はいっ!?」



「なんでも雰囲気だろ。流れでそういうことになるかも」



「なりません~っ!!」



「大人しくしろ。次はこれだ」



ええっ!?


連れてこられたのは、観覧車じゃなくて。



車に乗って、足のペダルを押してサーキットの中でカーレースをするものだった。



「これ、小さい頃に乗りたかったんだ。憧れだった…」



いつもあんな高級車に乗っているナルが、遊園地のカートに乗るのが夢だったなんて。



「わかった!そしたら競争しよう!勝った方が、次の乗り物を決めることにしようよ」



「オッケー。絶対に勝つ」



「あたしだって、負けないからね!」








他にもお客さんがいて、あたしたちは5台でレースに参加することになった。



――ピ・ピ・ピ・ピーーーーーッ!



レース開始の合図と共に、一斉に走り出すカート。



もちろんあたしは一番でスタートを切った。