「メリーゴーランドって楽しいな。こうやってくっつく口実になるしな」



「ナルが勝手にくっついて来たんでしょ!?」



「もう1周するぞ!」



「嫌~っ!!」



冗談だったのか、回転が止まったらナルはひらりと地面におりたった。



そして、あたしの前に立って手を差しのべてくる。



「お手をどうぞ、プリンセス」



「……はいっ!?」



真顔でそんなことを言われた日には、ゾゾッとしちゃう。



恥ずかしくて急いで周りを確認すると、誰もこっちを見ていなかった。



「いちいち照れるなよ」



「これは照れてるんじゃないから!人の目が恥ずかしいの!!」



「同じようなもんだろ?ったく時間のかかる女だな…」



舌うちしたかと思うと、ナルが突然あたしを抱えあげた。



一瞬のうちに肩に乗せられてしまう。



「やっ……やめてよ!おろしてーっ!!」



「次はどうする?やっぱり恋人たちの定番の観覧車だよな」



「恋人たちって、あたしたち付き合ってないし!!」