でも、そんなこと絶対に言ってやらない。



「それこそ、自己中だよね。あたしの希望がひとつも入ってない」



「俺様だからな?お前が俺に従うのは、当たり前。お前は俺のペットだろ?」


ニヤリと笑うナルに、なんだかドキドキ。


いやっ、そーじゃない!


「ペット契約は、解消するって言わなかった?」


「言ったな…そしたら、今、その言葉を取り消す」


「えーっ!男に二言はないよね!?呆れた…。

先輩の前だけじゃなくて、あたしの前でもカッコつけてよ!」


「別に、契約を結んでようがそうでなくても、お前は俺の言いなりだろ?

ホラ、もう俺から目が離せない…」


そう言って、ナルはふわりと優しく笑う。


そして、あたしの前で頬杖をついてジッとあたしのことを見つめてきた。


――きゅん。