このまま続けても、エスカレートしていきそう。


ホント、信じられない。


キスだって、この間のが初めてだったのに。


体の関係から…って!


ボッ!


あたしまで妄想しそうになっちゃった。


「とにかく、あたしは財産なんて狙ってません。この学園だって…もう、出ていくつもりだし…」


もう、こんなゴタゴタに巻き込まれることに疲れてきた。


好きだっていうのも、ナルが勝手に言ってることで、あたしは…。


「あら、そうなの?」


先輩の顔が、急に穏やかなものに変わった。


「そうですよ。両親の住む、海外に行こうかと思ってます」


「そうだったの。それで、ナル様にあんな冷たい態度をとっていたのね。いつでも別れは惜しいものよね。

わかったわ、あたしは今から帰るから…早めに別れを切り出してくれる?」


「付き合ってませんし」


「そうだけど、ナル様はそうは思ってないわ。いつかあなたと付き合えると思ってる。

未練を残すのは、お互いのためにならないわ。ここは、ズバッと!」