「よっ……予約って……だってナルには婚約者が……」



「そんなの、数年先の話だろ。それまでに絶対になんとかする。俺の相手は、お前だけって今決めたんだ」



「い、今って……」



ナルの発言にビビってると、運転手さんがコホンと咳をした。



「坊ちゃま……会話を全て録音していますが、大丈夫ですか?」



「勝手にしろ。俺の相手は、自分で決める」



「了解いたしました。前後、削除しておきます」



いや、削除せず。



ぜひ録音しっぱなしで、お父様に反対してもらおうよ!



あたしなんてどこぞの令嬢でもなければ、ホント普通の人なんだから。







「さぁ、どうする?」



そんな間にも、車は進んでいく。



どうするって言われても……。