「タワーまで、5分だ。迷ってる暇なんてないけどな」



ハハッと笑い飛ばされ、背中に冷や汗が流れた。



どうしようっ、コイツ本気だ。



強引にモノにしようとしてくるはず。



京子さんをとるか、自分をとるか……。









いやいや、他の方法があるよね!?



どうしてあたしがコイツと!



あたしはナルの手を押しかえし、ニッコリと微笑んだ。



「あたし……そういうのは、結婚する相手としかしないって決めてるの」



こんな手に引っかかるようなナルじゃないけど、



たまにピュアなときがあるから、



もしかしたら引っかかるかもしれない。



余裕ぶっていたけど、ナルの言葉にぶっ飛びそうになった。



「なら……俺がお前を予約しておけばいい?それなら文句ないだろ」