「とりあえず、俺の部屋に行くか。場所は、お前のマンションでも他の部屋でも……」



「えっ、その“とりあえず”ってなに?」



「だから、代償よこせよ。お前の気持ちが手に入らないなら、体から先にもらってやるよ」



「なっ……なっ……」



ナルの体をバシバシ叩くけど、全然こたえてないみたいで余裕の笑みを浮かべている。



前言撤回!



やっぱりコイツは、ただの俺様男だよ。








「や……それは」



「今すぐか?」



「えぇっ」



「おい、レジデンスタワーに行ってくれ」



ナルは運転手さんにそう告げると、あたしの頬を両手で挟む。



そして、ゆっくりと微笑んだ。



「俺を誘うようなメールを送ってきて、お前だってそれなりの覚悟ができてるんだろ?」



さそっ……誘うって!



あのメールのどこがそんなメールに見えたのよっ!?