「そうなのか?」


「ガッカリしないでよ!あのね、あたしA組に入りたいの」



「いいんじゃないか?」



「……あれっ、そんなに簡単にOKしてくれるの!?」



拍子抜けしそうになっていたら。



「代償として、なにを差し出す?」



ニヤリと笑っているナルに、肘鉄をくらわせた。



「どうして交換条件なの!?」



「どうせロクなこと考えてないだろ。A組に行くから空いた席をこの間のイジメ女に譲るとか、そんなことか?」



――ギクッ!



ホントこんなときだけ、察しがいいんだから。






「そんなことないよ~……あたし、ナルの側にいたいなって思って……」



「そうか…たまにはかわいいこと言うよな」



ナルがあたしの指を握ってくる。



指に指を絡ませて、なんだか触り方がいやらしい。



あたし……ガマンするんだ。



これも京子さんのため。