ナルが寂しそうに、フッとあたしから目を逸らした。



「学校での強がりは、その反動なの?」



「さあ…どうかな。お前が俺の言うこと聞いてくれるなら、多分満たされる」



そう言うと、あたしの手からマグカップを奪い、



そっと隣に腰かけてきた。


ドキッ。


背中に腕をまわされ、ナルの体からフワリといい香りが漂う。







やだやだやだ。



あたしってば、なにドキドキしてるの!?


いつも嫌な目に遭わされてるじゃない。


好きだって言うのも、ウソかもしれないし。


そうは思うものの、緊張で体が動かない。