「ううん…おいしい」



「だろ?」



微笑むナルを見て、数日前までは冷たい視線しか向けられていなかったことを思いだす。



…変なの。



ナルって、いったん打ち解けると、こんなに変わっちゃうんだ?



いつもこうしてればいいのに。










「ナルって、このマンションに住んでたんだね。全然知らなかった」



「ここは、俺の別室」



「…へ?」



「他にもいくつか借りてて、その日の気分で使うだけ」



「そうなんだ……って、どんだけ贅沢なの!?」



「贅沢か……。どこにいても落ち着かないし、なにしてても面白くない。金があっても、俺の心はいつも満たされない…」