ごめんな、妃絽。 一番悩んで、辛い時に傍にいてやれなくて…、話を聞いてやれなくて…。 もう遅いかもしれねぇけど、頼むから…。 俺は妃絽の手を握ると、額にそれをあてた。 「戻って来てくれ、妃絽…」 俺の頬に涙が伝った。 もう俺は無理に望まない。 赤ん坊のことはちゃんと話し合って決めれば良い。 今はただ、お前に戻って来て欲しいんだよ。 妃絽――…。