亮ちゃんは、しばらくサッカー部の遠征に行っていた。
学校があるし、そんなお金ないし、という理由で惜しくもついてはいけなかったけど、やっぱりその分かなり亮ちゃんが恋しくなったのだ。
だから、久しぶりに亮ちゃんが見れてわたしの心は宇宙まで飛び出しそうなくらい高鳴っていた。
たまたま家が同じマンションで(同じ階じゃないけど)たまたま親同士が仲良くて、わたしは優しくてかっこいい亮ちゃんが大好きになっていた。
亮ちゃんも同じ気持ちだ。
これはストーカーによくある妄想とかじゃなくて、確信に近い。
亮ちゃんとはクラスも席も2年間同じだけど、カウントした限り100回以上はわたしを見ている(妄想とかじゃない)。
亮ちゃんもわたしが好きだと思う。
だってそうじゃないと、わたしのこと見ないし、遊んだりなんかしてくれない。
きっと、ただの幼なじみくらいにしか思ってくれない。
「うわ、なんか落ち込む…」
自らネガティブループに陥りつつも、久しぶりの収穫を片手にわたしは満足しながらトイレから出た。