あたしの大好きな香月珠樹は、自分の決めたことを曲げない、真っ直ぐな人だ。




「あ、これほんと秘密ね。綾斗が知ったら多少なりとも意識しちゃうから」

「ですね…」



絶対綾斗なら、意識すると思う!!



「それにしても綾斗遅いな。もしかして先に自分の部屋に行っちゃったかもしれないな」

「えっ!?」

「さ、雅ちゃんも早く寝なさい」

「はい…」

「おやすみ」

「おやすみなさい」



もっとお話ししたかったな…とは思うものの、夜も遅いし仕方ない。



それより綾斗だよ、勝手に部屋に戻ってるなんて。



一言くらい声かけてもいいじゃないか。



そう思いながら綾斗の部屋の扉を開けたけど、部屋の中は真っ暗なままだった。