「でも俺は、綾斗には綾斗にしか見れない景色を求めて欲しいし、その世界もきっと素敵なものだと思うんだ。綾斗ならできる」



だって俺の子だしーーという珠樹さんは、親の顔。


ほんとうに、綾斗を思ってるんだなって思った。



悔しいくらい、この人と、綾斗の繋がりに嫉妬してしまうくらい。



「俺だって、ほんとうはもっとやりたいことあるし、だから悔いが残らないわけじゃないけど、」

「……けど?」

「子供の成長を見届けてやるのも、俺の役目なのかな、と」





まるで、自分に投げかけるように、そう呟いた。



ほんとうは、俳優辞めたくないんじゃないかな、って思った。



あたし的には俳優続けてもらいたいし、そういう気持ちを持っててほしいって思ってるけど。