「綾斗おおおお……」
麗美ちゃんが運転する車が出発して、後部座席に座っていた俺の隣りから雅が泣きついてきた。
「泣くな、泣くなー」
「緊張したよ…」
「よく頑張ったな、」
「うううっ…」
雅も相当緊張していたようで、すごく泣きついてくる。
「ほらほら、もう泣き止めって」
「ううっ…」
「泣くのは全部終わってからにしろよな?まだ早いから」
「うんっ…」
とは言っても、まだ雅はうずうずと泣いている。
今日だけは許してやるか…。
「それにしても雅ちゃん、今日は見違えたわ。一体どうしたの?」
「秘密の特訓です!」
「秘密の特訓?」
「はい!」
なんじゃそりゃ?