「亜美っこっちこい!!」
腕を引っ張られ素直にその力に身を任せ走った。
少し走り、細い道へきた。
「裕太、なんで…?」
「雨が強くなったから紗季ちゃんとあの辺のカフェに入って雨宿りしてて…あるきで来たからって言うんで紗季ちゃんは親に迎えきてもらって帰った」
「…え?だって、デートは…?」
「元から、少ししか会えない予定だったんだ。今日は紗季ちゃんに用事があって…無理に付き合ってもらっちゃって…って、それはよくて、せっかくカフェ来たからカフェオレ飲んでたらお前が見えて、雨んなか傘もさしてねぇから、追っかけたんだよ」
「……い」
「…え?」
「ずるいよ!!裕太は!!!」
憎い。
裕太が憎い
優しさが憎い。辛い。
悲しい……――
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