ピーーーーーー!!!

長い笛の音が辺りに響く。

地獄の15分だ…

ハヤトは、視線を前に向けた。

って…おい…

いきなり、中盤が抜かれたらしく、三人のFWがこちらに向かっていた。
一対三、勝ち目がない。

後半開始早々のゴールを許してしまおうと思ったのだが、後ろから大きな声がハヤトに突き刺さる。

「ハヤト!!ボール持ってる選手にプレスかけろ!」

ハヤトはその言葉を聞き、すぐさま中央でドリブルしてる選手にプレスをかける。
ハヤトが近付くのを見計らって、中央の選手が左サイドの選手にパスをだす。
さらに追いかけるハヤト。

左サイドの選手は逆サイドにボールを送る。
さらに追いかけるハヤト。

右サイドの選手は、すぐさま中央の選手にショートパスをだした。
ダッシュで追いかけるハヤト。

「ハァ…ハァ…」

ハヤトは走りながら一つ疑問に思う。

ーーもしかして、遊ばれてるのではないのか、と。