ハヤトは頭を洗い終わり、体も軽く洗いながし、シャワーを止めた。
洗ったばっかりの髪の毛は、サラサラしており、今日、一日を始めるのになかなかの朝だった。
ハヤトは立ち上がり、脱衣所へと向かう。
洗濯機の上にあるタオル入れからバスタオルを一枚取り、体を拭き始めた。
さて、これから2ヶ月の間に自分のやるべきことを考えるか。
ハヤトは、体を拭きながらこれからのことを考えていた。
子供の頃、ハヤトはなんでもいいから有名になりたかった。
歌手でもいい。野球選手でもピアニストでも小説家でも、とにかくなんでもいいから有名になりたい。
そのような思いが今でも続いていた。
しかし、歌が特別に上手いわけでもなく、かといって、ピアノを弾けるわけでも野球が上手いわけでもなかった。
勿論、文才もないに等しいこの男は、今まで平凡な人生を歩んできたのだ。
一時は諦めていた“有名になる道”それを、残り2ヶ月と宣告された途端、また目指し始めたのだ。
といっても、悪で有名になることは避けたかった。
ハヤトは、犯罪で有名になることを、“騒がれているだけ”と、冷たい目でみていた。