「やーねぇ…彩ちゃんったら!」
恥ずかしそうに美空のほうを向く。
「けどねえ…あの人は本当に体格がよかったのに、ハヤトちゃんはねえ。男の子がこんなにヒョロヒョロだとダメでしょう?」
麗奈は、美空に優しく問い掛ける。
ああ、母さんの好みがよく分かったよ。
ハムスターも、父親もどちらかと言うと太っていた。
お世辞でも、写真を見るかぎり痩せているとは言い難い体型だ。
ようするに、太っているほうが好みなのだろう。
体型について、しつこく言ってくるのも無理のないことだった。
「うーん、私は痩せてる男の人も、いいとは思いますけど…」
美空は、軽くフォローする。
さっきから、言われっぱなしでいる、ハヤトの気遣いなのだろう。
しかし、それを違った表現で受け止めた麗奈は、ニヤニヤと笑いながら2人を見つめる。
「あらー2人ともラブラブなのね~」
もはや、ハヤトはなにも言い返すつもりはなかった。
なぜならば、言い返したところで、照れてるように思われてしまうからだ。