「ほらほら、ハヤトちゃんも、しっかり食べないと大きくなれないわよーさっきから、お箸が全然進んでいないじゃない」
麗奈は、「めっ!」とハヤトに向けて、右手の人差し指を上に向けながら注意する。
さすがに、16歳にもなってこのような注意を受けるとは、予想もできなかった。
「あまり腹減ってないんだよ…」
そう言いながらも、茄子の天ぷらを口に運ぶ。
うん、確かに揚げたてなだけあって美味しい。
「ダメじゃないの~死んだお父さんなんかは、固太りしていて、それはそれは男らしい体型で素敵だったわ~」
麗奈は、赤らめたほっぺたを両手で押さえながらハヤトに言う。
のろけかよ…
一方、その言葉を聞いていた美空が、「とっても素敵な旦那様だったんですね」と麗奈に言う。
麗奈は、先ほどからほんのり桃色に変わっていたほっぺたが、ますます赤くなっていった。