「あら~お帰り。隣りのかわいい娘は彼女さん?」

彼女の名前は、内海 麗奈。

ニコニコしながら、冗談を言うのは彼女の性格上いつものことだった。

「初めまして。美空 彩と申します。 これから2ヶ月間お世話になりますが、よろしくお願いいたします」
挨拶を済ました後、美空は、内海の母親に向かって一礼をする。

一方、麗奈は、「あら~」と言った後、「かわいいし、礼儀もしっかりできてて、素敵な彼女さんね」と言葉を続けた。
まだ冗談を続けているのか、それとも素で言っているのか2人には理解できなかった。

「あのさ、母さん。なんで美空がウチに来ることを、前もって教えてくれないんだよ」

内海にしては、珍しく強い口調で母親に言った。
しかし、「まぁまぁ。立ち話もなんだし、居間で話しましょ。美空ちゃんもいらっしゃい」
と、内海は軽く流されてしまった。
美空は、「お邪魔します」と言ったあと、家の中へと入った。

内海は、やりきれない思いだったが、2人が中に入るのを確認すると、自分も家の中へと入っていった。