「例えばだぞ、いきなり魔法が使えるようになったとする。
それはそれで嬉しいかも知れないが、魔法使えるのはお前だけなんだぞ?
そんな状況が羨ましいか?」


「………」
ハヤトは黙っていた。
上江田の言う通り、あまりにも非日常な現状は対応し辛いこと。
それは正論だった。


「じゃあさ、周りも魔法使えてたらどうする?
それだったら、素晴らしい環境じゃないか」

ハヤトは、自分の席へ座り三時限目の用意しながら答えた。


「自分も魔法が使えて、周りも魔法が使えたら、それが“日常”になるんだぜ」