梅雨明けの。
不快指数も少ない七月。
カラッと晴れた青空は、どこまでもどこまでも続いていた。
二人は北条の元へ歩いていた。
若干、息は乱れていたが、歩いているうちに徐々に緩和していった。
二人は、北条の元に行くと、綺麗にビブスを畳み、北条へ手渡した。
北条はビブスを預かり、二人に優しく声を掛けた。
「二人とも、良く頑張ったな。 体育の成績プラスしといたからな」
ニコニコしながら言う北条。
その顔は、一般の中年男性のようなくたびれた顔ではなく、この広い大空のように透き通っていた。
「ホントですか!?ありがとうございます!」
北条の言葉を聞き、大喜びする上江田。
北条と同じく、その顔は清く透き通っていた。