「唯花…」

「あはっ、失恋…しちゃったぁ」

なるべく明るく私は言った

「……。」

夏樹は黙って聞いている

「私には無理だったんだよ…拓海は陽花ちゃんの事が好きだったんだ。二人は両想いだったんだよ。バカだよね…こんな奴、好きになってくれる人なんかどこにもいないのに…」

「そんな事ない!」

黙って聞いていた夏樹が口を開いた

「だって…無理だったじゃん…」

「んな事ねぇって!」

グイッ

「きゃっ…」

夏樹に腕を引かれ

私は夏樹の腕の中にいた