「…お前さ」




勉強開始から二時間ほど過ぎ、そろそろ下校時間――





不意に若宮が口を開いた。






「本当にバカだな」



「しみじみと言うな」



「しょーがねぇからこれから毎日俺が勉強見てやるよ」



「…え!?」





バッ、と顔をあげると、腕組みをして不敵に笑う奴がいた。





「金取る気!?」


「はぁ?アホか」





ブスから金貰うほど困ってねーよ、とバカにしたように奴が言う。





だ、だってそうでもなきゃ、若宮がこんなボランティア的な事をするわけ…


「お前だから」



ガタ、と若宮が椅子から立ち上がって。




「……と、特別だ」






………え?