「ちょっ…笑佳大丈夫!?」
「う、うん、全然大丈夫…」
とは言ったけど。
真っ赤だし、ジンジンするし。ちょっとヤバいかも…
「大丈夫じゃねぇだろ」
グイッ…
強く腕を引っ張られて、顔をあげると若宮が怒ったような表情であたしを見ていた。
「来い、ボケッとすんな」
そして不機嫌な表情のまま無理矢理あたしを引きずっていく。
連れてこられたのは水道だった。
「冷やせ」
蛇口をひねり、あたしの手をつかんで冷やさせる若宮。
ジンジンとした痛みが、スーッとひいていくのが分かる。
「…しばらく冷やしてろ。終わったら医務室行け」
素っ気なくそう言うと、若宮はあたしの手をはなし立ち上がった。
「…あ…ありがとう」
ぎこちなくお礼を言うと若宮は一瞬足を止めたが、そのまま何も言わずに戻っていった。