「……何だそれ」 自嘲気味に笑った若宮の手から、ス、と力が抜けた。 「…それがお前の答えかよ」 あたしを見つめる若宮の瞳は、今までに見たことないくらい悲しげで。 「…若宮」 「勝手にしろ」 あたしに背を向け、男子のコートの方に戻っていく若宮。 …答えって、何よ。 後ろから、彩の呼ぶ声がする。 でもあたしは 暫く若宮の後ろ姿を、ただ見つめていた。