「あ、ありがと…じゃ」



と素早くボールを受け取って立ち去ろうとしたんだけど



「…はなしてよ」


「やだ」




なぜかボールを持ったまま離そうとしない若宮。



「やだって幼稚園児か!

まだゲームの途中…」




とチラリとコートの方を振り返ると。




「…っ」




コートの外から無表情でこっちを見つめる




琴平さんと目があった。