「あぁ!教科書忘れた!」
よりによって数学だし…
最悪だ。
「はぁ?バカじゃん」
うな垂れるあたしを嘲笑う若宮。
「あんたねぇ!ここは優しく、じゃぁ俺の見る?って聞くところでしょうが!!」
「俺がそんな事言うわけねーじゃん、バーカ」
「この性悪め…」
「嘘だし、バーカ。
…見せてやるよ、しょーがねぇな」
なぜか顔を赤くした若宮が、グッと机ごとあたしに近づいてきた。
「!?
ちょっ何で近づいてくるの!?」
「はぁ?近づかなきゃ見れねーだろうが!」
…確かに。
それにしても
「近くない!?」
「あ?普通だろ」