「よかったね笑佳?♪」
「は…ハハ…そ…そうだね…」
「…何か変」
じとーっと、探るような目付きであたしを見る彩。
「普通なら“よくないわ!!”とかすかさず突っ込みそうなのに」
「…や…あたしツッコミじゃなくてボケの方だからさ……」
「一年の最後の方も笑佳と若宮全然話してなかったし、何かあったんでしょ?」
……そう。
あの、不可解なききききき、き、キス事件から、あたしと若宮は一言も話していない。
若宮の顔を見るとあの事ばっかり思い出しちゃうから、無意識のうちに避けちゃうし。
若宮も絶対あたしのこと避けてるし。
そんなこんなで春休みに突入してしまい…
今日に至るというわけだ。